Q&A

産科

  • 妊娠初期に出血した、どうすればよいか
  • 流産傾向の可能性があります。自宅安静をしてください。ただし付着程度の出血は妊娠初期ではみられることあるので経過をみていただいて大丈夫です。
    ただし心配で心拍確認をしてもらいたい場合は予約外で日中ご来院ください。
    また、生理2日目の出血は異常ですのでお電話でご相談ください。
  • 出生前診断をしたい、どんな検査があるか知りたい
  • 非侵襲性の検査として血清マーカー検査であるクアトロ検査、NIPT侵襲性の検査に羊水検査があります。非侵襲検査は採血のみで行える検査で母児に影響のない検査になります。クアトロ検査はダウン症や18トリソミーなどである確率がわかる検査で確定診断ではありません。NIPTも採血で行う検査です。この検査でダウン症が否定できれば99.9%がダウン症ではありません。ダウン症と診断された中には偽陽性(異常がないのに検査値が異常になること)の可能性があり、羊水検査を行います。腹部から針を穿刺して羊水を採取する羊水検査は確定診断になります。
    羊水検査は確定診断ですが、破水、感染から流産する場合は1/300の確率であるため初手はNIPTをおすすめします。
    実施時期 NIPT;12週前後~ クアトロ検査;15週~ 羊水検査;16週~
    NIPTは当院では対応できないため近隣の施設での検査をご紹介しております。
  • 妊娠には葉酸がいいと聞くけどいつまで飲めばいいの?
  • 葉酸は神経管閉鎖障害(脳や脊柱に発生する癒合不全)の発症リスクを軽減します。1日0.4㎎内服していれば発症を予防できると言われています。神経管閉鎖障害は妊娠6週には完成してしまうため、妊娠発覚してからの内服では発症の予防効果はありません。生理中から飲み始めるくらいがちょうどいいと思ってください。
    また1日1㎎を超えると過剰摂取になるため注意をしてください。
  • インフルエンザの予防接種は妊娠中に打てるか知りたい
  • 妊娠中にインフルエンザウイルスに罹患すると重篤化する可能性があり、ワクチン接種が推奨されています。防腐剤(エチル水銀)を含むワクチンと含まないワクチンがあるが、どちらも妊婦に打っても問題ないとされています。ワクチンは接種から2~3週間効果を得るのに時間がかかるため、10月から11月に接種することが理想です。効果は2~3か月続きます。
  • たばこが妊娠中に止められない。どんな影響があるか
  • 喫煙や受動喫煙は胎児にとってはよい要素はひとつもありません。
    胎児の発育を阻害し、週数より小さく生まれたり、胎盤の位置異常や胎盤が出産よりも前にはがれ始める常位胎盤早期剥離のリスクが増加します。常位胎盤早期剥離は母児ともに命の危険がある疾患です。その他早産や前期破水のリスクを増加させるなどの悪影響があります。
  • つわりがひどくてどうすればいいか……
  • 仕事の通勤が厳しい場合は医師より母性健康管理指導事項連絡カードを記載してもらうことで就労内容の制限や自宅療養を会社に指示することが可能です。病院へご相談ください。また500mlのペットボトルが1本1日飲めない場合や体重が10%減った場合(ex:50㎏だと5㎏)入院の適応になります。どうしても入院が難しい場合は外来で点滴通院も可能ですが毎日通っていただく必要があります。
  • 妊娠してからふらつくことが増えて心配。貧血か?
  • 妊娠すると妊娠後期には約40%程度の循環血液量の増加がみられます。出産時の出血に耐えられるように身体が変化していきます。ここでの循環血液量の増加のイメージはポカリスエットの量を増やしたいから水を入れてかさ増しするようなものです。当然濃度は下がります。血液の水分あたりの血球量が減り、希釈性の貧血は妊娠中にかなりの頻度で見かけます。
    ただし目の前が真っ暗になるような立ち眩みは貧血でも見られますが、神経調整がうまくいかず、脳へ供給する血液が足りず起こります。
    この場合は貧血に関わらず起こりえます。目の前が真っ暗になってお腹から倒れてしまうと母児ともに危険のため、症状がでた場合はかがむか、膝をつくことで対応してください。
  • 普段より胎動が少ない気がするがどうすればいいか。
  • 妊娠すると妊娠後期には約40%程度の循環血液量の増加がみられます。出産時の出血に耐えられるように身体が変化していきます。ここでの循環血液量の増加のイメージはポカリスエットの量を増やしたいから水を入れてかさ増しするようなものです。当然濃度は下がります。血液の水分あたりの血球量が減り、希釈性の貧血は妊娠中にかなりの頻度で見かけます。
    ただし目の前が真っ暗になるような立ち眩みは貧血でも見られますが、神経調整がうまくいかず、脳へ供給する血液が足りず起こります。
    この場合は貧血に関わらず起こりえます。目の前が真っ暗になってお腹から倒れてしまうと母児ともに危険のため、症状がでた場合はかがむか、膝をつくことで対応してください。
  • 破水かおしっこかわからない。どうすればいいか
  • 診察しないと違いがわからないため自己判断せず、ご連絡ください。
  • 陣痛かな、弱いかな……どうしよう……
  • お腹が痛くなっていつ頃来院するかは悩ましい点です。来院のタイミングは人によって異なります。
    当院では、
    〇痛みが何分間隔で痛みがあるか
    〇最終診察で子宮口を何㎝だったか
    〇家からの病院までの距離はどうか
    〇今回何回目の出産か
    〇前回陣痛から何時間で生まれたか
    〇車で送ってくれる人がいるのか、タクシーか
    を総合的に判断しています。つまり……迷ったら電話しましょう。
  • 前回帝王切開だったんだけど今回は経腟分娩できないか?
  • 当院では全例帝王切開術を行っています。陣痛が来ると前回の手術の子宮切開創が破裂するリスクが0.2~0.7%あります。子宮破裂した場合の胎児の救命率は限りなく低いため、陣痛が来る前の妊娠38週前後での帝王切開を行っております。
    また上記の点から帝王切開の予定日より陣痛、破水があった場合は同日に緊急帝王切開となります。
  • 無痛分娩はやっていますか?
  • やっておりません。
  • 中絶希望だがどうすればいい
  • 母体保護法に基づき、妊娠21週6日までならば対応可能です。ご受診していただき問診表にその旨をご記載ください。週数が進むほどリスクが高くなり、分娩まで時間を要します。
    夫婦でご検討の後ご相談ください。

婦人科

  • ピルを試してみたいけど、心配。実際のメリットとデメリットが知りたい
  • ピルは女性ホルモンであり、規則正しく内服すると月経量や月経痛の改善が見られます。日本では避妊薬のイメージを強く持っている人も少なからずいますが、一番の効果は月経による日々の悩みの解消にあります。月経前症候群や月経困難症の改善の他、卵巣癌、子宮体癌のリスクを下げる効能もあります。子宮頸がんワクチンも受けることで、骨盤内の癌のリスクを下げることができます。
    デメリットとして挙げられるのは毎日の内服、不正出血、血栓症、性感染症の蔓延があります。毎日何かの薬を飲み続けるのは慣れるまでたいへんです。飲み忘れは不正出血の原因や望まない妊娠につながる可能性もあります。
    確実な避妊効果がないのと、避妊具を使わない場合、性感染症のリスクが増加します。近年梅毒が増えており、当院でも受診件数の増加が見られます。
    夫婦以外は避妊具の使用をするようにしてください。
  • ジェノゲストを内服しているが、出血が多いけどどうすればいい……
  • ジェノゲストは不正出血が副作用で最も見られます。貧血にならない程度の出血であれば様子見るで大丈夫です。貧血になりそうなくらい出血している場合は日中にご来院ください。
    ホルモン剤のため出血の他、倦怠感や関節痛、精神状態の悪化なども見られることがあります。薬剤の減量か、種類を変更して対応することもできるので一度ご相談ください。
  • レルミナを内服しているが、副作用がつらい。どうすればいい……
  • レルミナは副作用に更年期障害があります。症状は様々ですが手術の準備として内服していただくことが多いです。自己判断での休薬は手術が延期になる可能性があります。必ずご受診して休薬の是非を主治医とご相談ください。
    また頻度は少ないですが、不正出血のリスクがあります。大量の出血はご相談ください。レルミナの注射タイプのリュープリンはレルミナより不正出血のリスクが高いです。少量の出血は様子を見ていただいて大丈夫ですが、大量の出血はなるべく日中にご相談ください。
  • 生理が来ない、どうすればいい?
  • 妊娠の心配がある場合はまず妊娠検査を勧めます。周閉経期の方は月経が不規則になるため、様子を見てください。1年生理が来なければ閉経と判断します。
  • 不正出血がある、どうすればいいか?(ホルモン剤内服なし)
  • 不正出血はホルモンバランスに影響された不正出血と、腫瘍からの持続の出血があります。一度きりの不正出血は問題ないことがほとんどなので様子を見てください。ただし持続する不正出血は検査や治療が必要ですので必ずご受診ください。
    若い時から生理が4~5か月に1回しか来ない人や、不正出血を繰り返している、不正出血が1ヵ月以上続いている、閉経後に不正出血が見られるは悪性腫瘍の可能性があります。必ずご受診ください。
  • ペッサリー挿入しているけど、落ちてきた。どうすればいい?
  • リングが便器内に落ちた場合はなんとかして回収しましょう。流すとトイレが故障します。慌てず平日日中の診療時間内へご受診ください。サイズ調整をします。
  • ペッサリー挿入しているけど出血が多い。どうすればいい?
  • リングのサイズが合っていないか長期にいれて膣壁を傷つけてしまっていると思われます。継続的にみられるようならばご相談ください。
  • ホルモン剤を使用し生理を止めて手術をした。生理再開はいつからか
  • レルミナ1ヵ月前後、リュープリンを使用された方は1ヵ月半~2ヵ月以内には再開します。ただし周閉経期に使用するとそのまま閉経する可能性があります。
  • 更年期症状がつらい。どのような治療があるか?
  • 更年期障害とは卵巣から放出される女性ホルモンの枯渇に伴う症状で、周閉経期の前後5年に見られる様々な症状を指します。徐々に効果のある漢方による治療や女性ホルモンの補充があります。漢方による治療はなだらかに効果があります。
    ホルモン補充の効果は早いです。ただし長期使用は乳がんリスクを増加させるため、長期の使用は避け、乳がん検診の受診を促しています。
  • 子宮とると閉経してホルモンバランスが心配……
  • 閉経とは卵巣から放出されるホルモンの枯渇を指します。そのため子宮全摘の手術で卵巣を切除しなければ閉経することはありません。
    子宮は妊娠するための臓器のため、全摘をすると、妊娠ができなくなります。
    生理がなくなり、筋腫などの発生、再発することがなくなります。
    女性ホルモンは卵巣からでているためホルモンバランスには影響は少ないです。
    筋腫などで月経過多があり、挙児希望がなければ選択肢の一つにあります。
  • 卵巣が腫れていると言われた。どうすればいい。
  • 卵巣は解剖学的に卵巣堤索や固有卵巣索という2つの血管の束に吊られています。
    ―〇― ←イメージはこんな感じです。(〇が卵巣)
    卵巣が腫大し、5㎝以上になると捻転する可能性があります。
    卵巣嚢腫の捻転は卵巣が壊死(腐って)しまう可能性があるため手術を検討する必要があります。一度当院へご相談ください。

術後

  • 腹腔鏡をした。仕事は?お酒は?運動は?旅行は?
  • 定型的なものはなく主治医の考えによるところがあります。
    私が手術した場合、仕事は事務職などデスクワークメインならば退院翌日から許可しています。ただし術後の体調はわからないためお休みすることを勧めています。退院後2週間程度で来院していただき、術後の体調チェックをします。そこまではお酒、運動、入浴(シャワー可)、遠出、自転車は控えてもらっています。
    ※お酒は傷の治りを悪くするため基本はお控えください。
    ※旅行は出先で体調不良になった際に当院へ受診できないため、初回外来までは控えてください。
    ※その他の内容は主治医とご相談ください。

    記載;産婦人科 水戸
  • 開腹手術と腹腔鏡手術はどうやって適応が決まっているのか。
  • 当院で開腹手術の適応疾患の例として一番多いのは子宮筋腫です。
    理由は筋腫の大きさが一番の要因となります。また筋腫は子宮のどの位置から発生しているかでも手術の難易度が変わるため、腹腔鏡では難しい位置に筋腫がある場合は小さくても開腹を選択する場合があります。大きい子宮筋腫も腹腔鏡での切除は可能ですが、手術時間が大幅に増えるため全身麻酔を長期にかけることは低侵襲手術とは言い難いと考えております。適応は術者の技量にも左右されますが上記の観点で術式を決定しています。
  • 円錐切除をした。出血しているがどうすればいい?
  • 円錐切除術後で最も多い術後の有害事象は切除断端からの出血になります。少量の場合は様子を見てください。生理2日目以上の出血は縫合しないと止まらない場合がありますので当院へご連絡ください。
    出血を増長させる因子として、活動のしすぎや、自転車の使用、性交渉、感染などがありますので、術後は無理のない生活を心がけてください。

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